2023/5/13 税務ニュース(新型コロナウイルス感染症関連)

この記事は約5分で読めます。

・コロナ関連でこんな出費は医療費控除の対象になる?
・会社から従業員へマスクを支給。これって給与になるの?

政府は、令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症を、感染症法上「5類感染症」に位置付けしました。
類型としては季節性インフルエンザと同じ部類とされます。

これまで、新型コロナウイルスに対する緊急措置として、税制も様々な特別措置をとっていましたが、
徐々にその措置も縮小されていくことが考えられます。

そんな中、同日、国税庁より
令和5年5月7日までの国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの税務上の取扱いに関するFAQ
が公表されました。

これは、以前から公表されていた同FAQを、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられたことに伴い変更したものです。

この公表の中から特に身近なものだけピックアップしてご紹介させていただきます。

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コロナ関連でこんな出費は医療費控除の対象になる?

1、マスクの購入費用

 ⇒医療費控除の対象になりません。

医療費控除の対象になるものは、
・医師等による診療や治療のために支払った費用
治療や療養に必要な医薬品の購入費用

などです。

医療費控除の対象は、
すでにかかってしまった病気を治すための出費や、
すでに負ってしまったケガを治すための出費です。
(出産費用や介護費用は別途、医療費控除の対象になります。)
マイナスの状態からプラマイ0の状態へもっていくための出費というイメージです。

マスクは、病気の感染予防を目的として着用するもので、治療や療養のために費用とは言えません
イメージとしては、マイナスの状態にならないよう予防するための出費です。

そのため、マスクの購入費用は医療費控除の対象にならないんですね。

2、PCR検査費用

医師の判断によりPCR検査を受けた場合:医療費控除の対象になります。
自己の判断でPCR検査をした場合:医療費控除の対象になりません。(例外あり)

PCR検査を受けた状況により結論がわかれます。

「コロナっぽい症状出てるなあ」と感じたとき、
病院へ行くと、まずはPCR検査を受けますよね。そしてその結果により診断を受け、治療のため処方箋を頂きます。
このような過程で受けたPCR検査は、
医師等による診療や治療のために支払った費用”に該当することから、
医療費控除の対象になります。
病気を治すためにコロナなのかどうか判断する必要があるので医療費控除の対象になるわけです。

一方で、
自分がコロナに感染しているかどうか確認したい、などの理由でPCR検査を受けた場合は
医師等による診療や治療のために支払った費用
治療や療養に必要な医薬品の購入費用
のどちらにも該当しないので、医療費控除の対象になりません。

ただし、当初は感染しているのか確認のために行っただけのPCR検査でも、その費用が医療費控除の対象になる場合があります
それは、検査の結果、陽性であることが判明し、そのまま引き続き治療を行った場合です
この場合のPCR検査は、治療に先立って行われる診察と同じと考えられるためです。

会社から従業員へマスクや備品を支給。これって給与になるの?

所得税法上、原則として
会社から物やサービスなどお金以外のものをもらっても、そこに所得税がかかります

ただし、”原則として”と表記したように、一部のものについては所得税がかかりません。

今回のコロナ騒動で、感染予防対策として、会社が従業員にマスクや消毒液などを支給するケースがあります。
ほかにもリモートワークをしてもらうために機器を従業員に買い与える場合など。
こういったコロナ関連で従業員へ支給した各物品には所得税がかかるのでしょうか?

結論は、”ものによって所得税がかかる場合とかからない場合がある”です。

ポイントは次の3つです。
全てを満たす場合は、所得税がかかることなく従業員へ感染症対策品の支給ができます。
業務のために通常必要な費用であること
お金ではなく物を支給していること(従業員からその費用にかかる領収書等を提出してもらい、その精算としてお金を渡す場合はOK。経費精算ってやつです。)
③備品についてはその所有権が会社にあること。


これらの条件を満たさない支給の例

たとえばマスクなどの細かな消耗品を従業員へ支給する場合。
従業員の家族分も合わせてマスクを支給している、
1か月の出勤日以上の枚数のマスクを毎月支給している、
対策費などとして毎月5,000円を渡切りで支給する(経費精算しない)などの場合は、
従業員に対して所得税がかかる恐れがあります。

リモートワーク用のパソコン、照明設備、デスクなどの備品を従業員の自宅へ設置する場合。
業務に関係のない備品まで従業員自宅に設置してあげた、
設置した備品を従業員へあげた、
備品準備費などとして100,000円を渡切りで支給する(経費精算しない)などの場合は、
従業員に対して所得税がかかる恐れがあります。

関連条文等 (タップして表示)

○所得税法第73条 (医療費控除)
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の100分の5に相当する金額(当該金額が10万円を超える場合には、10万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が200万円を超える場合には、200万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第1項の規定による控除は、医療費控除という。

○所得税法施行令第207条 (医療費の範囲)
法第73条第2項(医療費控除)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。
一 医師又は歯科医師による診療又は治療
二 治療又は療養に必要な医薬品の購入
三 病院、診療所(これに準ずるものとして財務省令で定めるものを含む。)又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
四 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第3条の2(名簿)に規定する施術者(同法第12条の2第1項(医業類似行為を業とすることができる者)の規定に該当する者を含む。)又は柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第2条第1項(定義)に規定する柔道整復師による施術
五 保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話
六 助産師による分べんの介助
七 介護福祉士による社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第2条第2項(定義)に規定する 喀(かく)痰(たん)吸引等又は同法附則第10条第1項(認定特定行為業務従事者に係る特例)に規定する認定特定行為業務従事者による同項に規定する特定行為

○所得税基本通達73-4 (健康診断及び美容整形手術のための費用)
いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する。ただし、健康診断により重大な疾病が発見され、かつ、当該診断に引き続きその疾病の治療をした場合には、当該健康診断のための費用も医療費に該当するものとする。

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